
■日時:2012年4月30日(14:00開演~14:50終演)
■会場:ミラージュホール 大ホール(新川文化ホール)
■出演:
メゾソプラノ:ミリヤーナ・ニコリッチ
ピアノ:松井晃子
■チケット:全席自由 1,000円
■曲目:
リムスキー=コルサコフ/歌劇『サトコ』第一幕3場(第二幕)より、
リュバーヴァのアリア「わたしは一晩中無駄に待った」
チャイコフスキー/歌劇『スペードの女王』第一幕より、
ポリーナのアリア「そう、思い出したわ」
リムスキー=コルサコフ/歌劇『皇帝の花嫁』第二幕より、
リュバーシャのアリア「おお、主よ罰したまえ」
チャイコフスキー/歌劇『オルレアンの乙女(ジャンヌ・ダルク)』第一幕より、
ジャンヌのアリア「森よさようなら」
プロコフィエフ/カンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」op.78より、
第6曲「死の原野」
ヴェルディ/歌劇『ドン・カルロ』第四幕より、
エボリ姫のアリア「おお、むごい運命よ」
ヴェルディ/歌劇『トロヴァトーレ』第二幕より、
アズチューナのアリア「炎は燃えて」
ビゼー/歌劇『カルメン』第一幕より、
カルメンのアリア「ハバネラ」、「セギディーリャ」
アンコール
チャイコフスキー/ジプシーの歌(?)
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新潟のラ・フォル・ジュルネの興奮が冷めないうちにまたも富山へ。入善からもうちょっと足を伸ばせば魚津だ。北陸道魚津ICからR8に出て5分くらい。実にわかりやすい場所にある。
富山のホールはコスモホールやミラージュホール、オーバードホールとか、名前がかっこいい。
チケットは持たずに(いちおう当日券販売ありの確認はとった)出かけてきた。
このミラージュホールの大ホールは約1200席のシューボックス型ホールで客席は1,2階席がある。ステージは反響板が置かれ、壁はステージ寄りが人造石張りになっていて、それより後方は木の造形が美しい壁。どことなく小出郷文化会館のような雰囲気。コスモホールよりもずっと空間容量が大きく、入るとスカっと抜けるような雰囲気があり、こちらも良い響きのしそうな雰囲気がある。
このホールはオーディオファンなら知っていると思う若林工房(魚津のレーベルだったのか)のCDでよく使われており、メジューエワのベートーヴェン・ピアノ・ソナタの録音もここが使われている。
そういうことで興味を持っていたのだが、先日の諏訪内さんのコンサートを聞いたときにもらったチラシの中にこのコンサートのチラシが挟み込まれていて、それを見て気になっていた歌手だ。
ミリヤーナ・ニコリッチはセルビア生まれのメゾソプラノ歌手。次世代のスーパースター候補と期待されている歌手とのこと。
開演の合図は鐘の音。学校みたいだけどブザーよりは良い。
1階席の11列目で聞いた。
ショッキング・ピンクのドレスで登場したニコリッチさんを見て、あっと驚いた!
チラシでわかるとおりかなりの美女歌手なのだが、チラシは3割引くらいで考えなければならないのは当然なのだが、チラシだけじゃわからないのがその身長。
女性だからヒールを履いているのだろうが、驚くほどの長身。ピアニストと譜めくりの人がまるで子供に見える。決して大袈裟に言うわけじゃないが、グランドピアノの上蓋の上にそのまま座れそうな感じだ。
遠近感が自分の頭のなかでメチャクチャになってしまうようだ。これも魚津の蜃気楼(ミラージュ)なのか?
見かけから受ける印象もあるかもしれないが、そうじゃなくても1曲目からパワー全開。聞いてる方に有無を言わさぬ迫力がある。ホールの響きを自在に操るような歌声。
どの曲も地に足がついたどっしりとした歌を聞かせる。テクニックもかなりのもの。と言うか、これほどのメゾソプラノ歌手を聞いたのはメトで聞いたボロディナ以来かもしれない。とにかく素晴らしい歌手だ。
歌い上げるオペラのアリアはとにかく凄いが、語りかけるようなアレクサンドル・ネフスキーもすっごく良かった。
絶叫のドン・カルロ、トロヴァトーレは鳥肌モノ。
そしてガラっと雰囲気を変えるカルメン。カルメンはこの人のハマり役らしく、曲が始まるとともに妖艶な雰囲気を発してくる。雰囲気というよりはオーラ、いや、もっと強い光線のような力があり、聞いてる方が息苦しくなるくらい。これは絶品でした。
アンコールは自分の貧弱なヒアリング能力(英語で話していたのだと思うが)たぶん、チャイコフスキーのジプシーの歌、だったと思う。
ミラージュホールは噂に違わず素晴らしい音のするホール。ステージからの音が残響を伴い、天井に向かって渦を巻くように消えていく、ように聞こえる。ホールエコーが蜃気楼のよう?まさにミラージュホール。
自分の行ったことのあるホールは日本全国でもほんの一握り、りゅーとぴあも確かに良いホールなんだけど、まだまだ行ったことのない素晴らしいホールがあるものだ。
(りゅーとぴあはホールの良さだけでなく、その公演内容の充実度が素晴らしいのだが。)
あと、これは書いておかなければならないが、ピアノの松井さん(チラシのウラ側には書かれてあるが、プログラムには曲名以外記載なし)も、ニコリッチの歌に応える好演だった。
ラ・フォル・ジュルネ金沢の中の一公演(熱狂の日in富山-魚津公演)で、チケットが1,000円ということから予想できるとおり、一時間弱のコンサートだけど、非常に濃密なコンサート。
終わるとすっかり体の力が抜けてしまったような気分になった。
ニコリッチは今年11月、同ホールでオーケストラ・アンサンブル金沢(井上道義指揮)でカルメンに登場予定とのことだが、どんなドン・ホセ(ロザリオ・ラ・スピナを予定)やエスカミーリョ(配役未定)を連れてくるのだろう?相当な歌手じゃないと、役不足になりそうだ。あ、カルメンってそういう役か。